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2023年11月9日の投稿(時系列順)1件]

『語学の天才まで一億光年』(高野秀行)
こんなに面白い作家さんを今まで存じ上げてなかったのが痛恨の極み。世界漫遊記も大好きだし、それに裏打ちされた考察も本当に面白い。
そもそも私は「文字のない言語」のイメージがなかった。もちろん世界には何千もの言語があってその多くは文字がないことは知識としては知っていたけど、「言語はあるけど、文字がない状態」の想像すらつかなかった。自分が名前を聞いたことがある言語は全部文字があるし、自分自身日本語の文字を割と早く覚えたし(←これはただの自慢)、英語も一番最初はアルファベットから習ったからだ。でも、標準ワ語をワ州の村の子供達に教えるくだりの、「標準語は文字に支えられており、文字の力で他の言葉を迫害するのだ」という文言を読んで、自分の視野狭窄を恥じた。”世界の言語の多くが消滅の危機に瀕している”という言葉の意味がようやくわかった。あと、関係ないかもだが、中島敦の『文字禍』を思い出した。
てか何カ国語も喋れることなんてまあまあ普通のことなんだな...特にアフリカとかだと。日本語と英語(※スピーキングを除く)しかできない自分が情けない。Close

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